フードサプライマネージメント(FSM)

はじめに

先日、ウナギの蒲焼が2.7トンも廃棄されいているというニュースを読みました。

もったいない!!!捨てるくらいなら、私がたべまーす!!!っというのはみんなが思うことですが、いったん冷静に考えてみませんか?

そう!!私たちは、そろそろ本気で食べ物の廃棄について考える時期だと思います。

食品ロスの現状

話を進める上で、まず第一のキーワードとして私が重要に思うのが

・一人当たりの食べ物消費量

1日の食べられる量、もしくは必要な量は個人毎に差はあるにしても、自分では把握していると思うのです。「少なめでも大丈夫かな?」とか、「少し多めで」とか。自分の食べる量を、大人なら大体コントロールできていると思っていませんか?

しかしながら日本では、年間一人当たりお茶碗約1杯分(約136g)相当の食品を毎日捨てているそうなのです。
(参考URL:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html)

これって、何か変だと思いませんか?自分では捨ててないですよね?捨ててますか?ただ統計上は、その食品廃棄量の約半分が約家庭からという事になっています。

もし、無駄に食べ物を捨ててしまっている人は、「ぜひ気を付けてください。」って、何でもかんでも、個人の頑張りに期待して、何も変化していないまま辿り着いたのが、今現在の状況だと思います。改善しないということは、いったんそのアプローチを変える必要があります。

食品廃棄というキーワードで、少し考えて身近で見かける現場としては学校給食ではないでしょうか?小中学校の時、私は給食時間が終わった後、沢山の食べ物が給食室に逆戻りしているのを見ました。

その量は、環境省のホームページを見ると「平成25年度で、児童・生徒1人当たり約 17.2kgの食品廃棄物」が発生しているのらしいのです。
(参考URL:https://www.env.go.jp/press/100941.html)

年間の授業日数を約200日とすると、一人当たり86g廃棄している計算になります。こんな現実を小学生が知ったら、すごい残念な気持ちになりますね。

食品ロスの内、家庭で発生するの個人が半分捨てているといううことは、あとの半分は、生産者から消費者に届くまでにその多くが捨てられているのです。そう考えると、なんとかなりそうじゃないですか?

でも、今まで上記で話したのは食べられる食品を捨てている食品ロスの話。実はその他にも食品に由来する食品廃棄物という物もあり、その総量は食品ロスの倍以上となっているそうです。もう少し、根本的な問題がありそうですね。

平成27年度食品廃棄量は、約2,800万トン。一人当たりに換算すると、毎日約600gの食品廃棄物を発生させていることになるようです。
(参考URL:https://www.env.go.jp/press/105387-print.html)

本当に真剣に考えなくては、近いうちに取り返しのつかない事になるとイメージできるのではないでしょうか。

解決アイディア その1

では、実際にどうすればいいのでしょうか?

簡単に言ってしまえば、単純に需要と共有のバランスをコントロールします。ここに対して「そんな事できる訳ない」と、みんな諦めているだけだと私は思っています。

食品のコントロールについては、SCM(サプライ チェーン マネージメント)という考え方が近いかもしれませんが、CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)に通じる考え方もフィットしそうな気がします。

今回の記事では、「フードサプライマネージメント(FSM)」と仮に定義してみました。

ICTが発展するにしたがって、この地球は情報的な意味合いで、どんどんコンパクトになってきています。

だからきっと、食べ物という情報をもっとコンパクトにできれば、きっと出来ると信じています。

では、続いてのキーワード

・賞味期限

・お弁当作り

恐らく、買い物する時はなるべくなら賞味期限の長いモノを選択するのではないでしょうか。それは、食材を使い切るための期間が長いほど、よりフレキシブルに利用(消費)できると分かっているからだと直感的に気付いているための、無意識の行動だと思います。

では、その購入した食材を食べるタイミングをいつ決定していますか?きちんと予測して購入することあるかもしれませんが、昼に食べるお弁当を自分で作る場合は、前日か朝の間に決定しないと間に合いません。

でも、コンビニや外食で済まそうとすると、それはいつ決定するのでしょうか。消費者は購入する直前に自由に選択していますが、提供者はその前に色々な情報を元に予測し提供する数を決めています。そして、機会損失を逃さないようにある計算式に基づいた数を上乗せして、最小の廃棄量にするため知恵を絞っています。

ですので、賞味期限という問題をなるべく軽減するために、食材の徹底した「小分け(使いきり)販売」が出来るような体制を作れたらと思います。世の中には、沢山買ったら安くなるという考えがものすごく定着している気がします。これも、食品ロスを助長する一因なのではないでしょうか。なので、必要な分を適正な値段で販売できる仕組みが必要になります。

また、お弁当作り方式と同じ方式の「お弁当予約販売及び、外食の事前予約」だと思っています。すこし前に、食べるものを決めることでお店側の販売予測の精度が格段に高まるのは間違いないと思います。

そう考えると、小分け販売についても予約の概念を持ち込めば良いと思います。

予約情報の精度を高め、生産者、加工者へのフィードバック、消費者の胃袋総量から消費可能量を算出。その上で、長期賞味期限の加工食品等への振替保存を実施。これができれば、もっと食品ロスが減らせるのでないでしょうか。

題して「次何食べる?予約しよう。お弁当を作るのと同じ作戦!」

解決アイディア その2

では、続いてのキーワード

・バックアップ用食品

バックアップ用食品とは、非常食や給食の予備等の念のため何らかのリスクに備える為の食材の事を指した造語です。
(2018/6/10現在、googleで検索しても明確な定義は無いようでした。もしかすると既に定義されていたらすみません。)

バックアップ用食品は、その性質上賞味期限が長いことが望まれます。

ただし、学校給食などにおいては、給食と同様の物が用意されているようです。何らかの決まりがあるとは思いますが少しもったいないような気がします。

もし仮に、「バックアップ用食品は、廃棄を防ぐため十分な賞味期限を有する物である事」と一般的に認識されれば、同じ食品を用意する必要がなくなるのではないでしょうか?(例として、予備の牛乳は賞味期限が長い物でも可能とするなど。また、手作業を減らすなどICTを積極利用すれば、数量のミスも格段に減ると思います。)

題して「バックアップ用食品の考え方普及」

解決アイディア その3

では、続いてのキーワード

・食品回収

これは、単純に腐ってしまった食材などを回収する仕組みを作ることです。

今は、家庭用生ごみ処理機や、コンポストで対応するしかありません。

もっと、積極的に不要食品の回収に取り組む必要がありそうです。

題して「簡単に捨てないで作戦」

解決策実施の課題

解決策のアイディアを色々と書いてみましたが、これが本当に簡単に実現できれば、小売り業者の利益率が増える等の経済的メリットがあると思います。

ただし、これらを実現するためには投資が必要です。日本に住む全員のお腹の容量から、次の日の食品のコントロール等を実施しようとしたら、もしかするとスーパーコンピュータを利用する必要があるかもしれません。

そうすると、もっと沢山の人が得をするストーリを描く必要があります。だったら、得をするならみんな一緒に得をすればいいと思います。

お弁当の予約をした人は、ちょっと割引。お店は、ロスが少なくなれば原価削減。

給食の量を少し少なくした人は、ちょっと割引。初めから必要な分を少なくできれば総コストが少なくなる。

生産者の方、加工業者の人からは、食材が無駄にならない分だけ少し高く購入。でも、これは少し今の経済活動からすると難しそうなので、長期賞味期限商品への振替など付加価値向上に仕組みに協力、または、不足している食材に対して労働リソースの振替してくれた場合は、税金の優遇やシステムコストの負担。

結果、日本全体にメリットが生まれればいいと思います。

日本が一体となって食料について考える事ができれば、経済的に一歩先を行くことができるのではないでしょうか。

どうです??なんかできそうな気がしてきませんか?

自分の身の回りから始める事ができれば、どんどんそれを広げていって地球規模の活動にすることができるような気がします。

そして、食べ物で考えられれば、住むところ、仕事、流通、あらゆる事に応用が出来ると思うのです。

どうでしょうか?一緒にこんなシステムを構築してみませんか?

(追伸)

こんな内容を書いているさなか、こんな記事を見つけました。

食べられるのに捨てられてしまう食べ物「食品ロス」の削減について、政府が初めて数値目標を設定する。国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿い、家庭での食品ロスの量を2030年度までに00年度比で半減させることを目指す。環境省が改定中の「循環型社会形成推進基本計画」に盛り込み、月内にも閣議決定する見通し。
(毎日新聞記事より 参考URL:https://mainichi.jp/articles/20180610/k00/00m/040/052000c)

大いに期待したいと思います。

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