ゲーム依存症について

「ゲーム障害」(ゲーム依存症)は病気?

世界保健機関(WHO)が、「ゲーム障害」(ゲーム依存症)を依存的行動による障害の一つとして認定したとのことです。(2018年6月現在)

病気かどうかは別として、病的にゲームをしている人達が私の周りにもいました。

なぜハマるのか?

オフラインゲーム(ファミコン等)では、それほどこのような事が問題になる事は少なかったと認識しています。

恐らく、ここで言うゲームというのはソーシャルゲームが大半をしめていると考えています。

ですので、この記事ではソーシャルゲームについて、私が思う事を書いていきたいと思います。

私自身、病的にとは言いませんが、それなりにソーシャルゲームを経験しました。

そして、それなりに楽しみました。だから、その危険性も認識したつもりです。

そこには巧妙な戦略が練りこまれており、ファミコン時代とは異なるビジネスモデル「課金」という仕組みが存在している事を十分に理解し、楽しむことが必要になるという事がわかりました。

もし周りに、ソーシャルゲームにはまりそうな人がいたら、この記事を紹介して何かの参考にしていただければ幸いです。

まずは無料という戦略

ソーシャルゲームは、基本無料の物が多いです。

それは、ゲームをしてもらうプレイヤーを増やすことで、「課金」してくれる潜在的なユーザを増やす目的があることは間違いはありません。

また、無料で遊んでいるプレイヤーを増やすことで、課金ユーザの満足度を高めることにも繋がります。

まずは、無料で遊んでゲームに何らかの価値を見出してもらう為にも、無料でゲームをしてもらうことに運営会社のメリットがあると考えられます。

そして、無料の範囲で十分にあそべるようにも作られていると思われます。そして、無料の範囲ではゲームに依存すること自体が難しい設計になっているとも思います。

「課金」が全て悪だとは言いません。でもその「課金」という行為が自分に与える影響をしかっりと考える事が重要だと思います。

細かい目標設定と報酬

私が経験した幾つかのソーシャルゲームは、ゲームを開始するのと同時に、操作を覚える為の簡単なミッションがスタートします。

そして、そのミッションが進むと、少し大盤振る舞いな報酬が与えられます。

しばらくはその繰り返しで、ゲーム(というよりも作業という意味が強い)を進めると得られる達成感を経験(学習)します。

そこで、無料で遊べる何らかのポイントを使い切ってしまうというのが、ゲームを開始した時に行われる儀式です。

その後、ゲームを進めていく事で、ミッションの難易度が上がり、達成したときの報酬も増えていくという繰り返しになるゲームが多いのではないでしょうか?

細かい目標設定と、それを達成した時の報酬がリンクするため、ゲームを実施するモチベーションが維持される仕組みとなっています。

これを現実の世界で実施しているのが、会社で行われている生産性が向上する為のモチベーションマネージメントです。

やりがいを如何に演出するかが、ソーシャルゲームを長く遊んでもらうための工夫なのです。

実際、「なんか楽しい♪」という気持ちで遊べると思います。

現実時間と同時進行

ソーシャルゲームを構成する要素として、時間の概念が非常に重要です。

ソーシャルゲームは、時間がリアルタイムと連動している場合が多いと思います。

まず第一に、経過する時間によって、何らかのポイントが溜まるという仕組みが取り入れられているケースが多いです。

そのポイントは、大体が遊ぶために必要なものとなっています。

その為、課金せずに遊ぶ為には、時間を経過させることが必要になります。

また、その時間経過で溜まるポイントはMAX値が設定されており、時間がある程度経過しMAX値になるとそれ以上溜まりません。

なので、MAX値になったらなるべく早く遊ぶという思考につながります。

そして第二に、ソーシャルゲームでは俗にいう「イベント」というものが行われます。

期間を決めて、その間に決められたミッションをクリアする、またはゲームの得点の合計を競ってランキングを競うという物が一般的だと思います。

なので、なるべくゲームに時間を費やすことでより高い満足感を得られる仕組みとなっています。

さらに言うと、より高い満足感を得ようとすると、自分のペースで遊べないという事になってしまいます。

「ゲームは1日1時間」では楽しめないという危険性をがあることを、十分に理解することが必要なります。

課金という行為がそのゲームの価値を決定付ける

「目標設定と報酬」、「現実時間と同時進行」そして、多くの人にとって重要な要素が「課金」という概念だと思います。

無料の範囲で遊んでいる分には、ゲームに求める価値はその達成感だったり、単純にゲームを楽しむという考え方で整理することができると思います。

しかし、「課金」をすることでその考え方変化する可能性がありあます。

それは、今まで無料で得られた「報酬」と「時間」というゲーム上の価値を、「課金」という行為により自分でお金と同一の価値を与える事になると考えられます。

今までゲームを休む時間だったのが、「お金」という価値に換算されて、ゲームをしない時間がもったいないという思考になる事もあるかもしれません。

時間経過で溜まるポイントを無駄に流してしまったらもったいないという発想になるかもしれません。

今まで単純にゲームで得られる「報酬」が、現実世界においても「お金」という価値に換算されて価値が高まるという満足感に繋がる事があるかもしれません。

「課金」した金額が、自分にとって大きくなるにつれて、ゲーム内の「報酬」と「時間」が実際のお金によって価値を決定付けてしまうことになると思います。

なので、「課金」をする行為で得られる満足感をちゃんと考えて、今後も行う事になるかもしれない「課金」をする行為のバランス感覚を磨くことが非常に重要になると思われます。

このようなバランス感覚を無意識に持っている人もいれば、その誘惑に負けてしまう人がいるのだと思います。

ゲームをするという事が、お金という価値に置き換わることで、強迫性障害のような状況なってしまうケースがあるのも分かる気がします。

注意するポイント

色々と、ソーシャルゲームについて書いてきましたが、ソーシャルゲームを楽しむバランス感覚が必要なんだなぁと自分でも納得しました。

今まで、私もソーシャルゲームを楽しんで来た中で、前述した内容以外の事も合わせて注意するポイントを挙げてみたいと思います。

  • お金を払えば、ゲームを有利に進められるという誘惑があります。
  • お金を払うことで、今まで無料だったゲームに価値を固定付けてしまう可能性があります。
  • ゲーム内(イベント等のリアルタイムで進行する等)の時間経過が気になり、生活に影響を与える可能性があります。
  • 同じことを繰り返す事に価値が与えられ、ゲーム時間が長時間になる可能性があります。
  • ソーシャルゲームは終わりがないケースが多いです。
  • ソーシャルゲームは24時間常に進行しているケースが多いです。
  • ソーシャルゲームは課金の上限がないケースが多いです。

これらを踏まえたうえで、楽しくあそべるといいかもしれません。

そして、ゲームを楽しむという事を優先に考えてください。それが一番重要かもしれません。

(こちらの記事も参考に。「楽しいの向こう側」)

余談

ちょうどこの記事を書いている最中に、サッカーワールドカップ2018が行われています。

もし、ワールドカップに「課金」という概念を入れたどうだろうと考えてみました(笑)

  1. ワールドカップ専用ゲームで遊んでポイントを貯める
  2. 貯めたポイントに応じて、応援するチームが有利になるような事が起きる。
    例)
    ・自分のゴールがポイントによって狭くなる。もしくは、相手のゴールが広くなる。
    ・ゴールを決めると、得点が倍になる。
    ・相手のシューズを重くする事ができる。
    ・メンバーを一人増やせる。
    ・かっこいい限定ユニホームに変更できる。
  3. 専用ゲームは1時間に一回プレーできるが、課金すれば追加でプレーできる。

こんなことを考えてみましたが、こんな要素はワールドカップには必要ないですよね。

お金じゃ解決できないのがワールドカップの面白さだと思います。

そして、プロ野球についても少し考えてみました。

もしかすると、球団経営者は究極の課金ゲームを楽しんでいるのかもしれないと・・・。

でも、大谷選手の様なスター選手もそうですが、生身の人間である唯一無二の存在が、現実というスポーツの面白さを生み出していると思いました。

ソーシャルゲームの様な仮想世界と、現実世界ではやはりゲームの性質が異なっているということを理解しなければいけないのかもしれません。

ボードゲームや将棋等については、非常に公平なゲームです。いわば脳スポーツ。

そこに、生身の人間を持ち込んだ現実のスポーツ。そしてソーシャルゲームのような操作するというゲーム(一部課金という課題は存在していますが)。

もしかすると、生身の人間を要素を持ち込んだ、ソーシャルゲームがもう少しで開発されるのかもしれません。

仮想空間で、同じ体格のアバターが、操作する現実世界の身体能力のみで公平に戦うゲームが・・・。

そうなると、戦略と如何にして早く動くかが重要になるはずですね。

さらに発展させると、リモートで現実世界のロボットをコントロールして行うスポーツも出てきそうです。

古代から存在するゲームという概念。まだまだその進化は、留まることを知らないようです。

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